声かけは看護師の大切なスキル

看護師にとって、「声かけ」はとても大切な業務の1つで、経験によるスキルを必要とする看護技術の1つでもあります。なぜ経験によるスキルが必要なのかというと、声かけは全員に同じでは意味がないからです。年代や性別、病状によって一人一人違う声かけが求められるためです。

学生の時にはコミュニケーションスキルを学習しますが、しかしいざ現場に出てみることで難しさを痛感するのではないでしょうか。「年代が高い男性の患者さんとは特に会話を続けるのが苦手だな」「子どもが患者さんである場合の保護者との会話の内容が難しいな」など具体的な課題が出てきます。先輩のスキルを観察し、時には真似してみるのもいいでしょう。

声かけでは気をつけるポイントがいくつかあります。相手の年代などはもちろん考慮するのですが、その他にも性格や声かけを行うタイミング、どのくらいの距離感まで受け入れてくれるかなどを判断しながら行います。声かけを行って終わりではなくしっかり相手の反応も見極めます。表情や仕草で声かけをどう感じたのか、たくさんの患者さんとやり取りをしていくうちにすぐ見極められるようになるはずです。

そして大切なのは「はい」「いいえ」で答えられる質問にしないこと。相手の気持ちを引き出すためには相手の言葉で答えられる質問にするのがおすすめ。また小さな声でボソボソ声をかけられても患者さんは元気になりません。場の雰囲気に合わせることも大切ですが、なるべく相手が聞き取りやすいはっきりゆっくりした声かけが望まれます。